「七海さん、しりとりしませんか?」
「……いいでしょう」
「じゃあ七海建人の『と』!」
「帳」
「りんご」
「極楽」
「く、草」
「五月雨」
「れ、れーれーれー、レモン!……あ」
「弱いですね」
「七海ィ、しりとりしようぜ」
「特級のくせに相変わらず暇そうで何よりです」
「じゃあ僕からね。五条悟の『る』!」
「ルンルン気分。ああしまった」
「オイオイオイオーイ、やる気あんの?」
「あるわけないでしょう」
「つまんない男だよオマエは」
「逆にしりとりの何が面白いのか理解に苦しみますね」
「あっいたいた、七海さーん」
「あれナマエだ」
「借りてた本、返しにきました!」
「えーなになに、『語彙力を増やす本』」
「この前しりとりしたとき、もっと語彙を増やしなさいって貸してくれたんですよ〜」
「え、オマエ七海としりとりしたの?」
「? はい」
「へえ〜」
「…………」
「ふう〜〜ん」
「?」